周遍寺への道 3 wind of yore [off-road]
ようやくたどり着いた周遍寺。
廃屋の中をいにしえの風が通りすぎてゆきました。
右下りの枯葉の道でひさしぶりの乗車。
滑らないように神経を使いましたが藪との格闘に比べれば ・・・
この空間がうれしかったのです。
数回段差を上ると松が増えはじめました。
枯葉も少なくなって走りやすい。
誘われているような気もします。
一度広場のような空間に出て、その端からさらに坂道が続いていました。
登りきったところに案内板らしきものが見えます。
いよいよ周遍寺なのか!?
ビンゴ~でした。
案内板の横には古い石の階段です。
案内板はこんな感じ。
古墳パワーをもらった野尻一号墳の案内板は加古川市でしたが、山の中で加西市に入ったようですね。
それにしてもかなり年季の入った石段です。
横手にスロープもありそうでしたが、
せっかくなのでXTC2を担いで石段を登ることにしました。
石段の途中の踊り場からも左右に進めます。
左側の水汲み場は完全に枯れていました。
右側には建屋が ・・・ この距離からでも廃屋だとわかる。
さらに石段を登ってふりかえるとこんな感じ。
結構な高さですなぁ。
そして正面。
波のように盛り上がった岩場越しに威厳を称えた本堂が見えました。
XTC2の横は鐘つき堂です。
まずは本堂にご挨拶。
MTBに乗りはじめてから神社仏閣を訪れることが多くなったのですが
こういうシチュエーションでは、サイフの中にある小銭をすべてかき集めて
賽銭箱に入れるっていう習慣がつきました。
但し、銀色のお金は対象外、1日に複数個所を訪れるときでも 「ここぞ!」
という一箇所でだけです。
お願いごとも決めています。極めてシンプルに ・・・
僕のまわりの人がいつまでも○○○○でありますように。
これはホント。
なかなか立派な本堂です。
本堂の南側を西へ道が続いてます。
おそらくノレノレルートへはこの道をゆくのでしょう。
本堂の横にもお堂がありました。
その陰から本堂を見るの図。
ユニークな不動明王。
これはまた歴史を感じますなぁ。
本堂から石段方向を振り返るの図。
静まり返った境内・・・だぁ~れもいません。
時々カラスが僕に「アホー、アホー」と声を投げかけるくらいなものです。
そのたびに「誰がやねん」と突っ込んでみるのも空しくなってきました。
考えれば山に入ってからここに至るまで、一度も人間を見ていないんですよね。
MTB乗りは孤独なものなのサッ・・・
本堂の北側にも西へ坂道が続いていました。
あちらこちらに石仏が点在しているのですが・・・
本堂の裏にあったこのお地蔵様。
一番年季が入ってるんじゃないかなぁ。
さらに本堂から北側へ下る道もあります。
曲がりながら林の中へ下ってゆくのですが
ところどころに石仏があります。
かなり下の方まで続いているようでしたが
これが八十八箇所めぐりの道なのかな。
MTB向けといえばMTB向けの道ですね。
石段の踊り場のレベルへスロープを下ると ・・・
踊り場から見えた廃屋の裏側へ出ました。
すさまじい荒れようです。
これが表側。
しめ縄があるってことは
ここに気持ちを寄せる人がいるってことかな。
縁側に放置された番傘。
誰かが言ってた「遅くまで遊んでると傘のお化けがでるぞ―」
っていうのも、まんざらはずれてなかったりして。
いつからここにあるねんって感じのスパナ。
こんな書籍も。
薄暗く荒れ放題だったのですが、
この部屋には年老いた女性の遺影が掛けてありました。
さすがにドキッとしました。
でも考えてみれば遠い昔にこのお寺を守られていた方のはずですよね。
遺影になっているってことはこの方のご子孫もお住まいだったのかな。
この山中の厳しい環境で大変だったんだろうなぁ・・・
そう思うと敬愛の念がわいてきて遺影に目礼をしました。
観光二十選に選んだ市が、この廃屋を放置していることが
無性に腹立たしく思えてきました。
でも、あの遺影はなぜ外されていないんだろう ・・・
あの方のこの寺に対する思い ・・・
その強さを知る者の配慮なのだろうか。
にわかに表の木々が騒ぎだして・・・
廃屋の中をいにしえの風が通り過ぎてゆきました。
辞去する前にもう一度振り返って
こころのシャッターを切りました。
人生なんて刹那
・・・僕らもいずれ、いにしえの人です。
周遍寺から県道79号への下りは延々と続く舗装路でした。
筋力アップのための訓練にはちょうどいいのではないかと思います。
ただ傾斜がかなり急でボコボコなんですよね。
僕なら何度も休みながらでないと登れないでしょうねぇ。
でも近いうちにもう一度来ますヨ。
今度は周遍寺からのノレノレルートを下りに!
おしまいです。
2010-01-13 22:27
nice!(16)
コメント(18)
いいカンジの廃屋ですね。
(結構廃墟マニア)
by cjlewis (2010-01-14 02:31)
夜に来たら怖そうな廃屋ですね・・・
それにしても写真を撮るのが上手いですね。
感心します。。
by TThair (2010-01-14 07:23)
夜来るのは遠慮したい感じですね。
あ。でも。
逆にこのコースを夜ライドするイベントとして
10人位(笑)で行ければ面白いのかも。
10人位いないと行けません( ▽|||)
by tsuneyosi (2010-01-14 08:43)
廃墟に侵入するときは、地面によーく注意を払って下さい。
たまに木片に錆びた釘などかむき出しの時があります。
フンズケタ日にゃアウトですから、
昔に山の廃墟で床が抜けて下まで落ちた記憶が…
それにしても番傘が気になるところです。
ひょっとしてさしてみたりして?
by Fuel (2010-01-14 12:25)
なんか出そうで怖いですね・・・。
by un (2010-01-14 16:51)
こんばんはー^^
背中がぞくぞくします・・・^^;
by toshi (2010-01-14 21:36)
周遍寺ですか懐かしいですね僕も
前に友達と何回か訪れた事があります。
僕も廃屋の中にある遺影にはビックリ
した事があります。
by アレー (2010-01-14 22:17)
cjlewisさん、こんばんわ
僕も廃墟は気になってしょうがない方ですね。どこをどう撮っても被写体が勝手に語ってくれるっていう絶対的な力がありますよね。また、僕の場合は廃墟に対してよく言われる「怖い」っていう感覚はあまりなくて、「危ない」ってのも十分に気をつければいいやと思えるのですが、見てたらたまらなく悲しくなってきてしまうんですよね。見たいくせにです。変なものですね。
by b.b.mk2 (2010-01-14 22:45)
TThairさん、こんばんわ
さすがに夜に一人では行けませんねぇ。
ありがとうございます。
でも写真はまだまだです。
手軽さに負けて携帯カメラだし、まずカメラを買わないと(笑)
by b.b.mk2 (2010-01-14 22:49)
tsuneyosiさん
一応石段と境内にはポツンと街灯がありそうでした。
10人くらいで肝試しツーリングですね。
それなら楽しそうです。
でも、帰りに数えると9人だったりして(笑)
by b.b.mk2 (2010-01-14 22:52)
F師匠!こんばんわ
番傘はさすがにさしませんでしたよぉ~。
そうですね、折れ釘、床抜けには要注意ですね。
師匠もいろいろと経験されているようですね。
非常に頼もしいです。
by b.b.mk2 (2010-01-14 22:55)
unさん、こんばんわ
でそうでしょ、でもなにもでませんよ~(笑)
でたとしても僕らと同じ穴のむじなです。
by b.b.mk2 (2010-01-14 22:57)
toshiさん
いらっしゃいませぇ~毎度ありがとうございます。
背中がぞくぞく・・・しますよねぇ~やっぱり。
でも実際にその場にいるとワンダーランドです。(笑)
by b.b.mk2 (2010-01-14 22:59)
アレーさん、こんばんわ
行かれましたか!見られましたか!
何かすごく親近感が(笑)
アレーさんならあの激坂をスペシャライズドで駆け上がられたのでしょうねぇ。
すごい!!
by b.b.mk2 (2010-01-14 23:02)
錆びれたお寺を見たことはあるけど、ここまで荒れたお寺は見た記憶が私は無いですなぁ・・・
私の自転車はクロスバイクなので藪の中は走れませんが(笑)、
一度訪れてみたいお寺のひとつになりました。。。
by フジさん (2010-01-15 22:32)
フジさん、こんばんわ
本堂は古いながら手入れもされていそうだったのですが、一段低いところにあった建屋は荒れていました。荒涼としているからこそ献花ひとつに心が動きます。感受性のお強いフジさんがここを訪れてどんな感想を持たれるかは是非聞いてみたいです。行かれるなら県道79号線からの舗装路を登るしかなさそうです。舗装路とはいえ結構ボコボコで急な坂が延々と続きます。フジさんなら単車っていう方法もありますね。
by b.b.mk2 (2010-01-15 22:59)
最近廃墟とか多くないですか?
B.B.さんの真骨頂のツーリングが続きますね。
気をつけてください。
私はブログを拝見させていただくだけで充分です。
by charingo (2010-01-15 23:17)
charingoさん、こんばんわ
廃屋は周遍寺のひとつの建屋です。周遍寺は古びていますが自然の中にあるいい山寺ですよ。ダートを走らなくても舗装された長~い坂道を登ればゆくこともできます。先日はここを下ったのですが、XTC2がかえってくればここを登ってノレノレダートコースを走りに行こうと思っています。またブログでレポートしますね。
by b.b.mk2 (2010-01-15 23:54)